【東京・小石川】伝通院へ。徳川家の女性たちが眠る、優しく清らかなパワースポット

【東京・小石川】伝通院へ。徳川家の女性たちが眠る、優しく清らかなパワースポット

春日駅前からバスに揺られ、小石川の坂を上っていくと、ふと空気が変わる場所があります。今回ご紹介するのは、徳川将軍家の菩提寺として知られる「伝通院(でんづういん)」です。

ここは、歴史の教科書に出てくるような有名な女性たちが静かに眠る場所。都心にありながら、驚くほど空が広く、訪れる人の心をすっと軽くしてくれるような、清々しい空気に満ちています。

歴史好きな方はもちろん、日々の喧騒から少し離れてリセットしたい方にもおすすめのパワースポットです。

圧倒されるほどの大きな山門と、広がる空

伝通院山門。圧倒されるほどの大きさ。

バス停「伝通院前」を降りると、まず目に飛び込んでくるのが、総ヒノキ造りの立派な山門です。数年前に再建されたばかりのこの門は、近づくとふわっと木の香りが漂い、その大きさには思わず見上げてしまうほど。

一歩足を踏み入れると、そこには都内とは思えない広大な境内が広がっています。高い建物が少なく、空がとても近く感じられるのが伝通院の魅力です。風が通り抜ける音が心地よく、深呼吸をしたくなるような開放感があります。

伝通院本殿

母の愛と強さ、徳川家康の生母「於大の方」

伝通院という名前は、徳川家康公の生母である「於大の方(おだいのかた)」の法名からつけられました。彼女はこのお寺の象徴とも言える存在です。

若くして家康公と生き別れになりながらも、遠くから息子を思い、戦国の世を生き抜いた於大の方。その人生は決して平坦なものではありませんでしたが、彼女の存在があったからこそ、家康公は天下泰平の世を築けたとも言われています。

本堂で手を合わせていると、そんな彼女の「母としての強さ」や「慈愛」に包まれるような、温かい気持ちになります。家族の幸せや健康を願う方にとって、これほど心強い場所はないかもしれません。

時が止まったような静寂。圧倒的な存在感を放つ「於大の方」の墓所

本堂でお参りを済ませ、さらに奥へと進むと、空気の密度が変わるのを感じます。そこに現れるのは、徳川家康公の生母、於大の方が眠る墓所です。

伝通院於大の方の墓所

まず驚かされるのは、そのお墓の大きさです。 見上げるほどに巨大な石塔は、単なるお墓という枠を超えて、まるで一つの建造物のよう。長い年月、風雨にさらされながらも微動だにしないその姿からは、戦国の乱世を生き、天下人の母となった彼女の「揺るぎない魂」そのものが伝わってくるようです。

周囲は不思議なほど静かで、鳥のさえずりさえ遠慮がちに聞こえるほど。 墓前の石畳に立つと、地面から力強いエネルギーが湧き上がってくるような、どっしりとした安定感に包まれます。「迷わずに進みなさい」と、背中をドンと押されるような、母なる大地のパワーを感じずにはいられません。

愛し、愛され、そして強く生きた。千姫の本当の物語

伝通院の墓所に眠る、徳川秀忠の長女・千姫(せんひめ)。 歴史ドラマでは「悲劇のヒロイン」として描かれることが多い彼女ですが、その素顔は、驚くほど情熱的で、芯の強い女性でした。

わずか7歳での政略結婚、そして大坂夏の陣での夫・豊臣秀頼との死別。 炎に包まれた大阪城から救出された彼女を待っていたのは、絶望だけではありませんでした。彼女はその後、イケメンとして知られる本多忠刻と出会い、戦国の世では奇跡のような「恋愛結婚」を果たします。

姫路城で過ごした、夫と子供たちとの穏やかで幸せな日々。 しかし、運命は過酷でした。夫と幼い長男を相次いで病で亡くし、彼女は再び一人になってしまいます。

それでも、千姫は負けませんでした。 江戸に戻り、髪を下ろして「天樹院(てんじゅいん)」となってからは、弟である将軍・家光の相談役となり、大奥の女性たちを守る「母」のような存在として、強くしなやかに生きたのです。

愛する人を失う悲しみを知り尽くし、それでも前を向いて歩き続けた千姫。 ここ伝通院にある彼女のお墓は、尊敬する祖母・於大の方のすぐそばにあります。

「もう、頑張らなくていいのよ」 そんな祖母の声が聞こえてきそうなほど、彼女の眠る場所は静かで、穏やかな空気に満ちています。

人間関係に疲れたとき、大切な人を想うとき。 千姫のお墓の前で手を合わせると、彼女の人生が「どんなに辛くても、明日は必ず来る」と、静かに教えてくれるような気がします。

涙が出るほど美しい。悲しみを乗り越えた証「千姫」の巨大な石塔

春はきっとしだれ桜が美しい千姫の墓所

於大の方のすぐそばに、もう一つ、見る者を圧倒する巨大な石塔があります。それが千姫のお墓です。

「これが、あのか弱い千姫のお墓なの?」 そう思わずにはいられないほど、その石塔はあまりにも大きく、そして力強いのです。

表面に刻まれた文字の深さ、石の角の鋭さ、苔むした台座の重厚感。そのすべてが、彼女が背負った運命の重さを物語っているかのよう。しかし、決して暗い雰囲気ではありません。むしろ、すべての悲しみを吸い込み、清らかな強さに変えて放射しているような、凛とした美しさがあります。

巨大な石塔を見上げていると、自分自身の悩みや迷いが、とてもちっぽけなものに思えてきます。 「辛いこともあったけれど、私はここで強く生きたわ」 石塔からそんな声が聞こえてくるようで、ただそこに佇んでいるだけで、胸が熱くなり、自然と涙がこぼれそうになる。そんな浄化の力が、この場所には満ちています。

御朱印と、参拝のあとに

伝通院御朱印

伝通院御朱印。力強い筆致で書かれた御朱印は、参拝のあとの清々しい気持ちを形にして持ち帰れる大切な記念になります。

広い境内をゆっくりと散策したあとは、近くの小石川後楽園や、隠れた名所である澤蔵司稲荷へ足を延ばしてみるのもおすすめです。澤蔵司稲荷は自称お稲荷ナビゲーターの私としては大のおすすめ!静かにお狐様達に囲まれることができます。

澤蔵司稲荷アイキャッチ

【文京区】澤蔵司稲荷は伝説の狐が眠る秘境。霊気漂う「お穴」とご利益・御朱印を徹底解説

文京区小石川にある「澤藏司稲荷(慈眼院)」は、僧侶に化けて修行した狐の伝説が残る強力なパワースポットです。境内の奥にあるミステリアスな「お穴(霊窟)」の雰囲気や、学業成就・商売繁盛のご利益、御朱印情報を詳しくご紹介します。
studiohana.jp

歴史の表舞台に立った女性たちが、最後に帰ってきた場所、伝通院。

彼女たちの物語に想いを馳せながら、静かな時間を過ごしてみませんか。強く逞しく、そしてしなやかに生きた乱世の女性たち、きっと、明日からまた頑張ろうと思えるような、優しいパワーをいただけるはずです。

伝通院(傳通院) アクセス情報

〒112-0002 東京都文京区小石川3-14-6

拝観時間 9:00~17:00(無休) ※御朱印の受付時間も同様ですが、行事等で変更になる場合があるため、余裕を持って訪れるのがおすすめです。

電車でのアクセス

  • 東京メトロ 丸ノ内線・南北線「後楽園駅」(出口4b、8など)
    • 徒歩約10分
  • 都営地下鉄 三田線・大江戸線「春日駅」(A5、A6出口など)
    • 徒歩約10分

バスでのアクセス(おすすめ!) 駅から徒歩の場合は上り坂(富坂・安藤坂)があるため、足腰に不安がある方や、夏場の参拝にはバスの利用が非常に便利です。バス停を降りると、目の前が伝通院の山門です。

  • 最寄りバス停:「伝通院前(でんづういんまえ)」
  • 利用できる主な路線(都営バス)
    • 都02系統(大塚駅前 ⇔ 錦糸町駅前)
    • 上69系統(小滝橋車庫前 ⇔ 上野公園)

お車・駐車場について

※法事等で満車の場合もあるため、近隣のコインパーキング情報も調べておくと安心です。

駐車場:あり(山門を入って右手に駐車スペースがありますが、台数に限りがあるため公共交通機関の利用が推奨されています)