東京・文京区に鎮座する「麟祥院(りんしょういん)」。 ここは、徳川三代将軍・家光の乳母として知られる「春日局(かすがのつぼね)」の菩提寺として有名な、歴史ある臨済宗の禅寺です。
「戦国の世を生き抜き、江戸の礎を築いた強い女性」というイメージの強い春日局ですが、その波乱万丈な生涯の裏には、深い慈愛と祈りがありました。今回は、凛とした空気の中に温かさが漂う、麟祥院の魅力をご紹介します。
目次
波乱を越えて。春日局が辿り着いた「禅」の静寂

春日局(斎藤福)の人生は、決して平坦なものではありませんでした。 明智光秀の重臣を父に持ち、幼くして一族が離散。苦難の少女時代を経て、やがて徳川家光の乳母となり、大奥の礎を築くまでの立身出世を果たします。
そんな彼女が晩年、自らの菩提寺として選んだのがこの麟祥院でした。 激動の時代を駆け抜けた彼女が、最後に求めたのは「禅」の教え。自分を厳しく律しながらも、平和を願い続けた彼女の魂が、今もこの境内の清々しい空気の中に息づいています。
御本尊・釈迦如来様が放つ、穏やかな「守護」の波動

麟祥院の御本尊は、お釈迦様(釈迦如来)です。 禅寺らしい簡素ながらも力強い美しさを持つ本堂に足を踏み入れると、不思議と呼吸が深くなるのを感じます。
お釈迦様の穏やかな表情は、「どんなに嵐が吹いても、あなたの中心にある静寂は奪われない」と語りかけてくれているようです。日々の喧騒でざわついた心が、そっと凪の状態へと戻っていく――。そんな贅沢な時間を過ごすことができます。
なぜ穴が空いているの?春日局の「穴あきの墓」に込められた想い

麟祥院を訪れる方が必ず足を運ぶのが、春日局のお墓です。 一見して驚くのが、墓石の中央にぽっかりと丸い穴が空いていること。これには「死してなお、将軍家や江戸の安寧を見守り続けたい」という彼女の強い遺志が込められていると伝えられています。

現代ではその特徴から「願いが通る」パワースポットとしても親しまれています。
徳川三代将軍・家光の乳母として激動の時代を生き抜いた彼女のパワーを借りて、真っ直ぐに届けたい願いを伝えてみてはいかがでしょうか。彼女が見つめ続けた未来の平和を感じてみてください。
看板犬・柴犬の「ちよちゃん」に癒やされて
お庭に咲いているしだれ桜を撮っていると、何やら感じる可愛い視線・・・

凛とした禅寺の雰囲気に、ふんわりとした柔らかさを添えてくれるのが、麟祥院の看板犬・柴犬の「ちよちゃん」です。 境内でゆったりと過ごすちよちゃんの姿は、参拝客の心を一瞬で解きほぐしてくれます。

まるでお寺の守り神のように、静かに、そして優しく寄り添ってくれるちよちゃん。歴史の重みに触れたあと、彼女(ちよちゃん)の穏やかな姿を見ることで、心がポカポカと温まる「究極の癒やし」を体験できるはずです。
参拝の証。春日局ゆかりの気品ある御朱印
麟祥院では、春日局の法名である「麟祥院殿壁翁梅山大姉」にちなんだ、格調高い御朱印をいただくことができます。 力強くもどこか繊細な筆致は、まさに春日局の生涯そのものを表しているかのよう。
御朱印帳に記された文字を眺めるたび、彼女の不屈のエネルギーと、禅寺の清らかな静寂が、あなたをそっと支えてくれるでしょう。
【アクセス情報】文京区の歴史を散策しながら
- 東京メトロ丸ノ内線・本郷三丁目駅より徒歩約5分
- 東京メトロ千代田線・湯島駅より徒歩約7分
- 拝観時間:午前9時 ~ 午後4時(※法要等で拝観できない場合があります)

都会の真ん中にありながら、自分をリセットし、新しいエネルギーをチャージできる麟祥院。 禅寺らしいピントした空気の中にある、春日局の深い愛と、ちよちゃんの優しい眼差しに、ぜひ逢いに行ってみてください。
