東京・港区、白金台の静謐なエリアに、時を超えた美しさが調和する特別な場所があります。それが、江戸時代初期に創建された禅宗(黄檗宗)の名刹、瑞聖寺です。ここを訪れると、まるで過去と未来、そして東洋と西洋のアートが出会ったような、優雅で刺激的な体験が待っています。
重要文化財とモダンアートの鮮やかな対比
瑞聖寺の境内には、風格ある歴史と、現代的な洗練が見事に共存しています。驚くのは静けさと境内に入った途端に包まれる空気感。瑞々しくこの境内だけ癒しの風が静かに吹いているような、そんなイメージです。
歴史の重みをまとう「大雄宝殿」

まず目を引くのは、国の重要文化財に指定されている「大雄宝殿」です。宝暦7年(1757年)に再建されたこの建物は、中国・明朝の様式を取り入れた黄檗建築の雄大さを今に伝えています。入母屋造の屋根や、独特な意匠の丸窓、そして黄檗宗の寺院に見られる木魚の原型「開梆(かいぱん)」など、細部にまで歴史の重みと異国情緒が感じられます。
隈研吾が手がけた「庫裏」のモダンな調和

その歴史的建造物の隣に、現代建築の巨匠、隈研吾氏が設計した「庫裏(くり)」(寺務所や住居などの機能を持つ建物)が佇んでいます。木のルーバーを多用した幾何学的でありながら温かみのあるデザインは、まさに隈研吾建築の真骨頂。
古刹とは思えないほどのモダンアートな空間が広がり、特に「コの字型」の建物に囲まれた水盤(水の庭)は圧巻です。水面に映し出される木造の庫裏と、その奥に見える大雄宝殿の姿は、江戸と令和、伝統と革新が交差する「水鏡の芸術」を生み出しています。
瑞聖寺御朱印

瑞聖寺は、元祖山手七福神めぐりの一つとして数えられています。祀られている神様は布袋尊。瑞聖寺の御朱印はご本尊の釈迦如来と、七福神の布袋尊の2種類です。どちらも御朱印帳へのお書入れではなく書置きです。布袋尊の方は袋型で可愛いですね。
「静けさ」の中にアートを感じて
この瑞聖寺の魅力は、単なる新旧の建物の並置ではありません。隈研吾氏が目指したのは、歴史ある伽藍配置を再考し、重要文化財である大雄宝殿の荘厳さを引き立てること。
木の優しい香りに包まれた庫裏の回廊を歩き、水盤の前に佇むと、都会の喧騒から隔絶された静寂に心が洗われます。澄んだ水面に映る「逆さ大雄宝殿」を眺めながら、数百年の時を超えて紡がれる美の対話を感じてみてはいかがでしょうか。
白金台のアートな隠れ家、瑞聖寺。歴史好きにも、モダン建築好きにも、そして心を静かにしたいすべての人におすすめしたい、とても優しくオシャレなパワースポットです。
瑞聖寺概要
- 宗派 単立(かつては黄檗宗(おうばくしゅう)の名刹でした)
- 山号 紫雲山(しうんざん)
- ご本尊 釈迦如来(しゃかにょらい)
- 創建 寛文10年(1670年)
- 開山 木庵性瑫(もくあんしょうとう)
- 文化財 大雄宝殿(国指定重要文化財)
瑞聖寺アクセス
東京都港区白金台3-2-19
- 都営三田線 / 東京メトロ南北線白金台駅徒歩約1分
