東京都新宿区西早稲田に鎮座する歴史ある神社、水稲荷神社。その起源は古く、平安時代中期の天慶4年(941年)にまで遡ります。藤原秀郷(俵藤太)が、平将門の乱を鎮圧した際に、稲荷大神を勧請し創建したのが始まりと伝えられています。

古くは「冨塚稲荷」と称されていたそうですが、1702年に境内の大椋の根元から霊水が湧き出し、眼病に効くと評判になったことから「水稲荷神社」と呼ばれるようになったそうです。
今回は境内を駆け回り遊ぶお狐様たちに会いに、目の病気にご利益があるという早稲田水稲荷神社を訪ねました。
水稲荷神社の御祭神と御由緒

水稲荷神社の御祭神は
- 大宮姫大神(おおみやひめのおおかみ)大宮姫大神は、宮殿の守護や君臣の和合を司る神とされ、旅館や百貨店などの接客業の守護神や家内安全・家族和合の神として信仰されています。
- 倉稲魂大神(うかのみたまのおおかみ)稲の精霊を神格化した穀物の神で、五穀豊穣や商売繁盛のご利益があるとされています。
- 佐田彦大神(さだひこのおおかみ)道開き、物事の始まりの神。道案内の神様として、私たちが人生の道を迷わずに進めるよう、導き、守ってくださる神様です。
身体の痛い箇所を撫でると痛みが消えるとされる耳欠け神狐
拝殿左横にある鳥居を挟んで2体の神狐様が駆け回っています。

個の鳥居の奥に居るのが「耳欠け神狐」。右耳が欠けています。

この耳欠け神狐はご自身の体の痛い部分と耳欠け神狐を交互に撫でると痛みが和らぐ、とのこと。ぴょんぴょんと飛び回る姿が可愛いですね。
御参拝が済んだら本殿の裏側、富塚古墳へ。
早稲田大学内から移された富塚古墳

なんだか圧倒されます。古墳の頂上?にはたくさんの祠。そして末社が並んでいます。





そしてここが江戸時代に霊水が湧き出た場所でしょうか。

水神社。そして明らかに何かを岩で塞いでいる感じです。そしてもう一つ気になったのが穴です。


「古墳」の入り口かな?と最初思いましたが、これはどう見ても狐穴。私にはお狐様の住処にしか見えません。一番奥の鳥居のそのまた奥は見ることはできませんでしたが、小さなお狐様達がこちらを見ているのだけは確認ができました。お稲荷様が苦手な方にとっては、ちょっと怖い空間かもしれませんね。
平将門北斗七星伝説

「平将門公」に縁のある神社を繋ぐと北斗七星の形になる、これが将門北斗七星伝説と呼ばれるものだそうです。と言ってもこの画像のようにぴったり北斗七星の形にはなっていません。微妙にずれていてなんとも惜しいのですが、水稲荷は柄杓の持ち手の真ん中、鳥越神社から数えて6番目の位置にあたります。
すべて将門に縁のある神社ですが、水稲荷神社は平将門公を討伐した藤原秀郷が、将門を討った1年後にその霊を鎮めるために創建されたと言われています。縁があると言っても別の意味の縁だなぁなどと思いながら。
平将門の亡骸はバラバラにされ、水稲荷神社には将門公の心臓が眠っているとか、境内に溢れ出した霊水は将門公の涙だとか、いろいろ言われていますが、あくまでも伝説であることを忘れてはいけませんね。
そもそも将門公縁とするならば、将門の首が入っていた首桶が安置されていたとされる築土神社がなぜ外れているのか・・・まぁあまり深掘りせずに行きましょう(笑)
最後に社務所へ

社務所はしばらく開けてはいないような雰囲気でした。御朱印は頂けず少し残念でしたが、たぶん宮司さんが描かれた境内のイラストが可愛くてクスっとしてしまいました。
水稲荷神社は一歩足を踏み入れると、異世界に迷い込んでしまったような感覚になりました。でもそれは決して怖いものではなく、遊び回るお狐様をこっそり見て穏やかな気持ちになれたような、そんな気がします。お狐様好きな方へおすすめの神社はたくさんありますが、こちらも一推しです!
アクセス
東京都新宿区西早稲田3丁目5番43号
- JR高田馬場駅より都バス→西早稲田下車 徒歩3分
- 東京メトロ東西線→早稲田駅下車 徒歩10分
- 都電荒川線面影橋下車 徒歩3分
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