東京都新宿区筑土八幡町に鎮座する筑土八幡神社の創建は、平安時代の初期、嵯峨天皇の時代(809年~823年)に遡ります。この歴史ある、そして「将門北斗七星」の七つの神社のうちのひとつに数えられる、筑土八幡神社を訪ねました。
筑土八幡神社の御由緒と御祭神

美しい朱色がとても映える拝殿の筑土八幡神社。
筑土八幡神社は、かつてこの地に住んでいた老人が、夢の中で八幡神のお告げを受け、祠を建立したのが始まりとされています。その後、慈覚大師が東国巡錫の際にこの地に立ち寄り、祠を整備し、伝教大師作と伝えられる阿弥陀如来像を安置したとされています。江戸時代に入ると、江戸城の城主である上杉朝興が社殿を造営し、牛込地域の鎮守として崇敬を集めました。
御祭神は応神天皇(おうじんてんのう)、 仲哀天皇(ちゅうあいてんのう) 、神功皇后(じんぐうこうごう)です。
応神天皇(品陀別命・ほんだわけのみこと)は、出世や成功、勝負運または家運隆昌の神様として有名で、源氏の氏神様でもあります。
筑土八幡神社の境内へ

参道の石段途中にある鳥居は、享保11年(1726)に造立された新宿区内現存最古の鳥居だそうです。その鳥居を抜けて境内に入ると、なんとも整然とした、本当によくお手入れがされている境内、と言う印象です。

目に留まるのは珍しい庚申塔。お猿が2匹です。新宿区指定有形民俗文化財だそうです。2匹のお猿は雄と雌。雌は桃の実が付いた一枝を持ち、雄は桃の枝を折ろうとしています。雌が持っている桃一枝は雄に採ってもらったのでしょうか、お顔は破損はしていますが、愛しそうに(美味しそうに?)桃を見つめている気がします。雄もなんだか楽しそう。雄も腕が破損していますが、これは戦災によるものだそうです。
とても珍しい二猿と桃の庚申塔、これは見る価値ありです!また庚申塔の横には、境内社、宮比神社が鎮座しています。大宮売命(おおみやのめのみこと)または天細女命(あめのうずめのみこと)です。


狛犬としだれ梅


お伺いしたのが2月の下旬。しだれ梅がキレイでした。まるで狛犬の後ろに花火が上がっているような。

御朱印は書置きです


御朱印は、社務所の前においてある御由来書に挟んであります。
平将門北斗七星伝説

「平将門公」に縁のある神社を繋ぐと北斗七星の形になる、これが将門北斗七星伝説と呼ばれるものだそうです。と言ってもこの画像のようにぴったり北斗七星の形にはなっていません。微妙にずれています。
筑土八幡神社は柄杓の柄の部分、最初の柄杓部分の鳥越神社から数えて5番目となります。筑土八幡神社にはバラバラにされた将門公の足が埋められている、との伝説がありますが・・・。そうなるとやはり将門公の首が安置されていたという築土神社が気になりますね。
築土神社はかつて筑土八幡神社のすぐ隣に鎮座していました。将門公の首桶が安置されていたという築土神社(かつては津久戸明神)は現在は九段北に鎮座しています。
筑土八幡神社アクセス
〒162-0815 東京都新宿区筑土八幡町2-1
- JR総武線・東京メトロ東西線・有楽町線・南北線・都営大江戸線「飯田橋駅」 徒歩6分
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