毎日忙しく過ごしていると、気づかないうちに心や体に疲れが溜まってしまうことはありませんか? 「なんだか最近、調子が悪いな」「ちょっと心が疲れているかも…」そんな風に感じたら、一度足を運んでみてほしい場所があります。
それが、東京・巣鴨にある「とげぬき地蔵尊」で有名な髙岩寺(こうがんじ)です。
「おばあちゃんの原宿」として知られる巣鴨ですが、髙岩寺は老若男女問わず、多くの人々が癒しと活力を求めて訪れる、温かい雰囲気に満ちたパワースポットなのです。

高岩寺は1596年に江戸湯島に創建され、その後下谷に移転しましたが、大火で焼失。明治24年に巣鴨に移転し現在の本堂は昭和32年に再建されたものだそうです。
目次
「とげぬき地蔵尊」髙岩寺ってどんなところ?
髙岩寺は、東京都豊島区巣鴨にある曹洞宗のお寺です。正式名称は「萬頂山 髙岩寺」ご本尊である「延命地蔵菩薩」が「とげぬき地蔵尊」として親しまれています。
その名の由来には、毛利家の女中が誤って針を飲み込んでしまった際、地蔵菩薩の御影(おみかげ)を飲み込んだところ、針を吐き出すことができた、という逸話があります。このことから、「病気平癒」、特に「トゲを抜く」ように苦しみを取り除いてくださるとして、厚い信仰を集めるようになりました。
髙岩寺の見どころ・ご利益スポット
髙岩寺には、参拝することで心身が整うとされる、いくつかの大切な場所があります。
ご本尊「とげぬき地蔵尊」にお参り
まずは本堂で、ご本尊の「とげぬき地蔵尊」に静かに手を合わせましょう。日々の感謝を伝え、心の中にある悩みや体の不調について、そっと打ち明けてみてください。穏やかな気持ちになれるはずです。
ここでは、「御影(おみかげ)」という小さなお札をいただくことができます。縦4センチ、横1.5センチほどの和紙に地蔵菩薩のお姿が描かれており、これを痛いところに貼ったり、水と一緒に飲んだりするとご利益があると言われています。(※現在では、飲む際は喉につまらせないよう、十分ご注意ください)
つらい場所を癒してくれる御影(おみかげ)


こちらがとげぬき地蔵髙岩寺の御影。御影とは神仏・貴人の像、肖像画、写真、御真影などの意味。髙岩寺のご本尊は地蔵菩薩(延命地蔵)で、このお姿が描かれた小さなお札が髙岩寺の御影。5枚ほど入っていました。このお札を患部に貼ったり、お水で飲んだりすると病というとげを抜いてくれる、というのがとげぬき地蔵信仰と言われています。この「とげ」は、病気だけではなく人間のいやな部分も抜いてくれるとか・・・。とげぬき地蔵は江戸時代から病気治癒でにぎわっていたそうです。
ところで患部に貼るだけではなく、お札を飲んでしまうというのはどういうことなのでしょう。体の中から悪いものを退散させる、ということなのでしょうか。その由来は、「誤って針を飲んでしまった女性、もがき苦しみもう手の施しようがないと思った時僧が現れ地蔵尊の姿が描かれた御影を一杯のお水で飲ませると間もなく女性はお腹の中のものを吐き、その中から御影を貫いた針が出てきたという」ということだそうです。
また御影は5枚入りで200円です。中にはまとめて大量に購入する方も少なくはありません。
みんなの心の拠り所「洗い観音」で心身を清める
本堂の手前には、いつも多くの人で賑わう「聖観世音菩薩(しょうかんぜおんぼさつ)像」、通称「洗い観音」があります。

高岩寺一番の人気は本堂左わきにある「洗い観音」。観音様に水をかけ体のつらい部分と同じところを洗うと病気が快癒するといわれているそうです。人気の観音様だけあって長い行列ができていることもしばしば。門前には観音様を洗うおみぬぐいのタオルとお線香蝋燭がセットになったおまいりセットが400円で購入できます。
なぜか懐かしい気持ちになるグルメな巣鴨地蔵通商店街

とげぬき地蔵(高岩寺)のある巣鴨地蔵通商店街、まさにおばあちゃんの原宿とかつていわれていた場所です。今ではおばあちゃんおじいちゃんのほかにも年齢層のもっともっと低い方たちもたくさん訪れています。が、やはりなぜか懐かしいと思う気持ちはなくならない商店街ですね。商店街といっても「観光地の商店街」という雰囲気。
そして巣鴨と言えば赤パンツも有名ですが、忘れてはならないのが塩大福。

元祖塩大福の「みずの」さんで食べ歩き用に購入。お値段は1個150円。今どきの流行りのようなもちっとしっとりと、ではなく水分の少ないしっかりしたあんこに塩がいい塩梅に効いています。濃い緑茶にぴったり!と言う感じでした。
食べ歩きをしたり、縁起物とされる「赤パンツ」のお店を覗いてみたり。どこか懐かしくて温かい雰囲気が漂う商店街を歩けば、自然と元気をもらえます。
なぜ今、「とげぬき地蔵尊」が人気なの?
「おばあちゃんの原宿」というイメージが強い巣鴨ですが、近年では若い世代や海外からの観光客も多く訪れています。それは、単なる観光地としてだけでなく、現代人が抱えるストレスや心身の不調を癒してくれる「心の拠り所」としての役割が見直されているからかもしれません。
髙岩寺は、特定の病気だけでなく、心の中にある見えない「トゲ」も優しく取り除いてくれるような、そんな懐の深さを持つ場所です。何かに行き詰った時、少し疲れた時、ふらっと立ち寄ってみるだけで、不思議と心が軽くなるのを感じられると思います。
アクセスと基本情報
- 名称: 萬頂山 髙岩寺(通称:とげぬき地蔵尊)
- 所在地: 東京都豊島区巣鴨3-35-2
- 公式サイト: https://togenuki.jp/
- 参拝時間: 境内は基本的に24時間開放されていますが、御影などをいただける寺務所は日中の時間帯(目安:7:30~17:00頃)となります。
アクセス
- JR山手線「巣鴨駅」正面口より徒歩約5分
- 都営地下鉄三田線「巣鴨駅」A3出口より徒歩約2分
