半蔵門線永田町駅を降り、赤坂御用地方面へ坂道を登っていくと、塀の上にびっしりと並ぶ赤い提灯が見えてきます。こちらが東京都港区赤坂に鎮座する豊川稲荷東京別院。
豊川稲荷東京別院は愛知県豊川市の本山と同じように末社や七福神など見どころがたくさんあるので長くなってしまうとは思いますが、よかったら最後まで見ていってくださいね。

豊川稲荷東京別院の歴史
江戸の町に名を残した名奉行、大岡越前守忠相は熱心な豊川稲荷の信者でした。彼は江戸屋敷内に分霊を祀り、日々の信仰を続けていました。
明治時代になると、大岡家から妙厳寺へ分霊が返納され、明治20年に現在地に移転されました。その後、妙厳寺の直轄別院となり、今日に至ります。
戦火によって焼失したこともありましたが、戦後復興を遂げ、現在では多くの人々の信仰を集める開運スポットとして知られています。
吒枳尼天:商売繁盛、開運招福のご利益

豊川稲荷東京別院の本尊は、豊川吒枳尼眞天(とよかわだきしんてん)と呼ばれる仏様です。吒枳尼眞天は、五穀豊穣、商売繁盛、家内安全、厄除けなど、様々な御利益をもたらすとされています。特に商売繁盛のご利益で有名であり、多くの企業経営者や商売人が参拝に訪れています。
吒枳尼眞天のお姿は美しい女性として描かれることが多く、剣と宝珠を持ち、白狐にまたがる姿が有名ですね。
境内に入ったとたんにいろいろなものが目に入ってきて目移りしがちですが、まずは手水舎で清め、本堂にお参りしましょう。
豊川稲荷東京別院境内
とにかく見どころ・・・お祈りする場所が多いのですが、なるべく丁寧に境内を巡ってみます。
大岡廟

豊川稲荷東京別院と大岡越前守は、江戸時代から深い繋がりがあります。大岡越前守は、江戸時代中期に活躍した名奉行として知られています。彼は、豊川稲荷を深く信仰しており、江戸の下屋敷に吒枳尼眞天(だきにしんてん)を勧請して祀りました。これが、豊川稲荷東京別院の起源となります。
その後、大岡家下屋敷は赤坂一ツ木に移転となり、吒枳尼眞天も一緒に移されました。文政11年(1828年)、大岡家の敷地の一部を借り受けて、豊川稲荷東京別院が創建されました。
明らかにパワーが違う 奥の院


本堂の左手奥に佇む奥の院。白壁と朱色の鳥居、そして願いがかなったお礼の千本幟。本当に美しい空間です。豊川稲荷の守護神である豊川吒枳尼眞天(だきにしんてん)はこの奥の院のまた奥のお社にいらっしゃいます。
豊川吒枳尼眞天のご利益は開運出世、商売繁盛、福財と言われています。
奥の院は、明治時代初期に建立されました。当時、豊川稲荷東京別院は現在地よりも南側に位置していましたが、明治維新後の都市計画により移転することになりました。しかし、吒枳尼眞天を祀っていた祠だけは移転できず、その場所に奥の院が建立されたということです。
本堂と同様に中に入ることができます。冬は暖房されていてとても暖かいです。だから、ということでもないのでしょうが、座って向き合っているとその温かさと神聖さに包まれるような、とても心地よい特別な空間のように感じました。中に入ってお参りすることを強くお勧めします。この感覚、ぜひ味わってみてください。
狐たちに会いに行く




豊川稲荷と言えば狐。本山の愛知県の妙嚴寺豊川稲荷に比べればその数はかなり少ないですが、東京別院にもたくさんの狐たちがいます。稲荷神社の狐は神様の使いです。
三つの神社が並ぶ三神殿




- 中央:宇賀神王。ご利益は商売繁盛。
- 左:徳七郎稲荷。ご利益は円満な人間関係。
- 右:太郎稲荷。ご利益は健康。
なんだかこの三社のご利益を見ると、ここをお参りしただけで豊かな人生送れそうな気もしてきます(笑)
縁切り稲荷 叶稲荷


「縁切り」とつくと少し怖いような気もします。豊川稲荷東京分院は何度も訪れていますが、叶稲荷尊天の前で熱心に手を合わせている若い女性を見ます。災いと縁を切る、悪いことと縁を切る、いろいろありますがやはりここを熱心にお参りする方は人間関係の縁を切りたい方なんだなぁなんて、並びながら思ったりします。
ただこの叶稲荷、禍々しい感じなどは一切なく、本堂横にひっそり佇んではいるものの、何か神々しさも感じます。人間生きてれば、もう終わりにしたい事たくさんありますよね。そんな時にお参りして清々しい気持ちを頂けるのが叶稲荷ではないでしょうか。
愛欲、情欲を司る明王 愛染明王

三社殿の裏に鎮座されるのが愛染明王。恋愛成就・縁結びのパワースポットです。縁結びや恋愛成就をお願いする絵馬がたくさん結ばれています。また恋愛成就や縁結びだけではなく、人との良いご縁を結んでいただけるのではないでしょうか。
金銀融通の財宝を叶えてくれる融通稲荷

金運アップのご利益がある融通稲荷。特徴は黄色の子袋に入れられた融通金と呼ばれる10円玉。この10円を1年間お借りすることができます。融通金は、1年間持ち歩き、その後利息を添えて返すことで、金運アップのご利益があるとされています。

融通稲荷は新年など長い行列ができることもあります。余裕をもってお祈りしましょう。
にしても「財宝を融通していただける」なぜだかわくわくする響きですね。真心こめてお祈りし、日々熱心に精進いたしましょう。
七福神巡り
また境内には七福神様がそろっており、七福神スタンプラリーをすることができます。台紙は三所殿(お守りなどが購入できるところ)で購入できますのでぜひ楽しんでください。
豊川稲荷東京別院 御朱印とまとめ
とにかく見どころが満載の豊川稲荷東京別院。なかなかすべてをご紹介することはできませんが、これから来訪される方のご参考になればと思います。参拝の後は御朱印を頂き、売店でお稲荷さん。長くなってしまいましたが最後まで読んでくださってありがとうございました。



追記:2024年3月30日にお伺いしたところ、新しく不動明王が祀られていました。2024年3月10日にお伺いした時は無かったので、本当に出来立てでした。
豊川稲荷東京別院アクセス
豊川稲荷東京別院 〒107-0051 東京都港区元赤坂1-4-7
東京メトロ銀座線/丸の内線「赤坂見附駅」(B出口)から徒歩5分
東京メトロ有楽町線/半蔵門線・南北線「永田町駅」(7番出口)から徒歩5分
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