東京都千代田区に鎮座する太田姫稲荷神社。お茶の水周辺で働く人たちが出勤前退勤後に手を合わせている姿をよく見かけます。そんな都会のオアシスのような太田姫稲荷神社をご紹介します。
太田姫稲荷神社の由来
太田姫稲荷神社は東京都千代田区にある小さな神社ですが、室町時代に江戸城を築いた太田道灌に深い縁があります。その歴史と魅力について、少し掘り下げてみました。
太田姫稲荷神社の由来は、太田道灌の娘が天然痘にかかって危篤に陥ったときのことです。道灌は、京都にある一口稲荷神社(いもあらいいなりじんじゃ)が天然痘に霊験があると聞き、娘の回復を祈願しました。すると、娘の病は奇跡的に治癒しました。これに感謝した道灌は、一口稲荷神社の分霊を勧請して、江戸城内に稲荷神社を建てました。これが太田姫稲荷神社の始まりです。
その後、江戸城の鬼門から城外の鬼門にあたる神田川のほとりに移されました。明治時代には、村社に列せられ、太田姫稲荷神社と改名しました。大正時代には、総武線の拡張工事のために現在地に遷座しました。三井住友海上火災本社ビルの西側です。
太田姫稲荷神社は、主祭神として倉稲魂神(うかのみたまのかみ)、菅原道真、徳川家康を祀っています。倉稲魂神は、稲穂の豊穣と商売繁盛の神様です。菅原道真は、学問と文芸の神様です。徳川家康は、江戸幕府の初代将軍で、太田姫稲荷神社を崇敬していました。
旧地に残る一口稲荷神社の元宮木札
御茶ノ水駅前聖橋交差点(2023年年末にやっとJR御茶ノ水駅の聖橋口出口が完成しましたね)のJR中央線・総武線沿い淡路坂の坂上、神田川のほとりに椋の大木があります。中央線総武線のホームから見上げることもできるこの場所が昭和6年まで太田姫稲荷があった場所です。
ここで一礼二拍手一礼されていく方もよく見かけます。という私も御茶ノ水駅前を通るときはからなずご挨拶をしていきます。
癒しの場所太田姫稲荷神社
有名なパワースポットではないけれど、自分にとってなぜかほっとする場所ってありますよね。鳥居をくぐると空気感が変わったり、急に心地良い風が吹いたり。私はこの神社にお参りをするとなぜかとても安心できます。もしかしたらそんな場所が自分だけのパワースポットなのかもしれませんね。
太田姫稲荷神社はJR御茶ノ水駅、東京メトロ新御茶ノ水駅から坂を下ってすぐ。周辺には聖橋から見下ろす丸ノ内線とJRの交差や東京復活大聖堂(ニコライ堂)、神田明神や湯島天神もあります。このあたりにお出かけの際はぜひ太田姫稲荷神社までほんの少し足を延ばしてみてください。その先はすぐに古本の町、神保町ですよ!
太田姫稲荷神社アクセス
- 住所:東京都千代田区神田駿河台1-2
- JR中央線・総武線「御茶ノ水駅」聖橋口徒歩2分
- 東京メトロ丸の内線「御茶ノ水駅」1または2出口徒歩3分
- 東京メトロ千代田線「新御茶ノ水駅」B3A出口徒歩1分
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