早咲きの桜が風に揺れる三月の終わり、ふと思い立って、北区・滝野川の静かな住宅街に鎮座する「滝野川八幡神社」へ足を運びました。まるで時間の流れが少しゆっくりになったかのような、不思議な感覚になる場所です。
JR板橋駅から歩くこと10分。喧騒から少し離れた道を抜け、住宅街を歩いていくと、突然立派な鳥居が見えてきます。心がふっと軽くなるのを感じました。鳥居をくぐると、そこには歴史の深さと、町の人々に大切に守られてきた温もりが共存する空間が広がっています。
応神天皇を祀る場所

滝野川八幡神社の御祭神は、品陀和気命(ほむだわけのみこと)、すなわち応神天皇。鎌倉時代に創建されたと伝わるこの神社は、800年以上の歴史を持つにも関わらず、とても優しい雰囲気が漂っていました。
品陀和気命(ホンダワケノミコト)は、応神天皇の神名です。ご利益は、悪霊除け・厄除け・国家鎮護・勝運招来・武運長久・出世開運・学業成就・殖産興業などなど。

境内にある小さな祠には、稲荷神社、冨士神社、榛名神社が合祀されています。本殿の横にひっそりと佇んでいて、どこか昔話の中に迷い込んだような気分に。

整然と並ぶ小さな狐の石像がとてもかわいいですね。拝殿までの木漏れ日が、「こっちこっち!」道案内してくれているようでした。
胡蝶しのぶと滝野川八幡神社
漫画・アニメ「鬼滅の刃」の登場人物である胡蝶しのぶの出身地が、東京都北区滝野川。滝野川八幡神社は胡蝶しのぶの産土神にあたる神社であることから、聖地巡礼のスポットとして知られています。
社務所の前にはフィギアやアクリルスタンド。これは胡蝶しのぶ推しの方々が奉納したものだそうです。そういえば伺ったこの日も胡蝶しのぶのコスプレをした方が参拝されていました。

また、胡蝶しのぶの誕生日2月24日には毎年「滝野川の八幡さまに集まってくだ祭」が開催されているようです。ファンにはたまらないですよね。
春風の中でいただいた御朱印

伺った日は、本当に気持ちの良い日で、春の風が絵馬をカラカラと揺らしていました。そんな中で頂いたのが藤色の蝶の印が入った御朱印。胡蝶しのぶにちなんで、と言うことでしょう。この日はちょうど一粒万倍の日だったので、一粒万倍の印も入っています。
そして何よりも特徴的なのが「滝野川」「八幡神社」の文字がVになっているところ。通常の御朱印には、紫の蝶の部分にVが書かれています。このVはもちろんVictoryのV。そしてピースサインの形だそうです。勝利と平和が込められているのですね。
帰り道、ふと思う

神社や仏閣、パワースポットと呼ばれるところには、またもう一度行きたい!と思うところと思わないところが確実にあります。不思議な感覚なのですが、「呼ばれてる」ではなく、帰り際に「またおいでー」と神様や仏様が言ってくださっているような感覚。
滝野川八幡神社もそのような感覚になりました。もしかしたら心地よい春風のせいかもしれませんが。
「また来よう」と思える神社に出会えることって、人生において案外貴重なことかもしれません。そんなことを思いながら帰路につきました。
滝野川八幡神社アクセス
東京都北区滝野川5丁目26-15
- 都営三田線「西巣鴨」「新板橋」徒歩7分
- JR埼京線 「板橋」徒歩9分
コメント