きらびやかな銀座の街、その中心に堂々と建つ「歌舞伎座」。多くの人が行き交うこの場所のすぐ隣に、静かに人々を見守る神社があるのをご存知でしょうか?

今回は、歌舞伎の殿堂に寄り添うように鎮座する「歌舞伎稲荷大明神(かぶきいなりだいみょうじん)」について、その魅力をご紹介します。観劇の予定がなくても誰でもお参りできる、銀座の隠れたパワースポットです。
歌舞伎座と共に歩むお稲荷様

歌舞伎稲荷大明神は、歌舞伎座の正面玄関に向かって右側に、ひっそりと、しかし確かな存在感で佇んでいます。朱色の鳥居とのぼりが、銀座の街並みに彩りを添えています。
歌舞伎役者の方々はもちろん、舞台関係者、そして多くのファンが公演の成功や安全を祈願するために訪れる、とても大切な場所なのです。
ご祭神はどんな神様?
歌舞伎稲荷大明神にお祀りされているのは、五穀豊穣や商売繁盛の神様として広く知られる「倉稲魂命(うかのみたまのみこと)」です。
お稲荷様のご利益はとても幅広く、芸能の世界では特に「大入り」を招く縁起の良い神様として、篤い信仰を集めてきました。訪れる私たちにも、仕事の成功や日々の暮らしの豊かさなど、さまざまな福を授けてくださることでしょう。
歌舞伎座を見守り続けた「由来」
このお稲荷様は、歌舞伎座がこの地に建てられた当初から、その土地を守る神様としてお祀りされてきました。劇場の火災からの守護、そして何よりも「千客万来」「興行の成功」を願い、今日まで大切にされています。
歌舞伎座が建て替えられる際も、もちろんお稲荷様は仮のお社に移られ、新しい歌舞伎座の完成と共に現在の場所に戻ってこられました。まさに、歌舞伎座の歴史と共に歩んできた守り神なのですね。
歌舞伎稲荷大明神は銀座八丁神社めぐりの一社
歌舞伎稲荷大明神が鎮座する銀座では、毎年秋に銀座の街に点在する小さな神社や地蔵尊などを巡拝するイベント、銀座八丁神社めぐりが開催されます。華やかなビルとビルの間の狭い場所に鎮座する神社や、ビルの屋上に鎮座する神社を巡るイベントです。
歌舞伎稲荷大明神も銀座八丁神社めぐりの中の一社です。(2025年の銀座八丁神社めぐりは10月24日25日の二日間。イベントの最中は普段は非公開の神社も参拝することができます。)煌びやかな銀座の街をお散歩がてら巡ってみるのも良いかもしれませんね。
御朱印はいただけるの?
はい、歌舞伎稲荷大明神の御朱印はいただくことができます。

ただし、歌舞伎大明神には社務所はありません。神社で直接いただくのではなく、歌舞伎座の地下2階にある「お土産処かおみせ」で授与されています。
御朱印は書置きのみです。シーズンによっていろいろな種類の御朱印があるそうです。参拝を済ませた後に、ぜひ立ち寄ってみてくださいね。(受付時間などは事前にご確認ください)
アクセス
- 電車でのアクセス
- 東京メトロ日比谷線・都営浅草線「東銀座駅」3番出口直結
- 東京メトロ銀座線・丸ノ内線・日比谷線「銀座駅」A7出口より徒歩5分
おわりに
銀座の賑わいの中で、ひととき心を静かにできる場所、歌舞伎稲荷大明神。 歌舞伎の歴史と、そこに携わる人々の熱い想いを感じながらお参りすると、なんだか心が温かくなるような気がします。
銀座へお越しの際は、少しだけ足を延ばして、この小さな守り神様にご挨拶してみてはいかがでしょうか。きっと、清々しい気持ちになれるはずです。
