都営大江戸線、麻布十番駅の7番出口から徒歩0分に鎮座している、宝船のお社こと十番稲荷神社。十番神社と言えばかえるさん。ご近所の方や、通勤通学の方たちに「かえるさん」として親しまれているかえるさん。このあたりのがま池に住んでいた大蛙が、周辺で起きた大火事を口から水を吹きかけて火を消したという言い伝えのあるかえるさんに早速会いに行ってみましょう!

十番稲荷神社の由緒とご祭神

十番稲荷神社は、元々は末廣神社と竹長稲荷神社という二つの神社でした。
- 末廣神社:慶長年間(1596年~1615年)に創建されたと伝えられています。
- 竹長稲荷神社:弘仁十三年(824年)に創建されたと伝えられています。一説には和銅5年(712年)とも。
江戸時代には、麻布十番七福神詣の一社として多くの参拝客を集めました。しかし、昭和20年(1945年)の戦災により焼失。戦後、境内地を現在地に換地し、昭和21年(1946年)に十番稲荷神社に改称されました。
ご祭神とご利益
- 倉稲魂命(ウカノミタマノミコト)衣食住、商売繁盛の神(稲荷神)
- 日本武尊(ヤマトタケルノミコト)難局打開、武運長久の神(大鳥大神)
- 市杵島姫命(イチキシマヒメノミコト)・田心姫命(タギリヒメノミコト)・湍津姫命(タギツヒメノミコト)学芸芸能、美の神(弁才天、宗像三女神)
かえるさんと宝船
十番稲荷神社のかえるさんは鳥居のすぐ右横にいます。鳥居の左横には宝船に乗った七福神。


昔ある年、古川辺から燃え出した火事に此辺りすべて烏有に帰してしまった時、「がま池」のほとり山崎主税助の屋敷のみ類焼を免れたのは、池中にいた大蛙が口から水を吹いて、さしもの猛火を吹き消したとの故事により、山崎家から万人に「上の字」様のお守が授けられました。
かえるの由来
その後末広様(のちの十番稲荷神社)を経て分けられてました。
その故事にちなんだ「かえる」お守は火防・やけどのお守・無事かえる・若がえる・何でもかえるお守として貴ばれています。

かえるさんが住んでいたとされるがま池は、現在はほんとが埋め立てられ、ほんのわずかが残るのみだそうです。こうなると行って見たい気持ちがふつふつ沸いてきますが、マンションの敷地内のために公開はされていません。住民の方々にご迷惑となりますので見学と称して敷地内に入ることは絶対にやめましょう。




港区の宝船の巡拝所

港七福神は、七福神をお祀りする各社寺7カ所に加え、宝船の巡拝所である十番稲荷神社を入れて合計8ヶ所お参りするのが特徴となっています。港七福神は
宝珠院(弁才天) 芝公園4-8-55
熊野神社(恵比寿) 麻布台2-2-14
十番稲荷神社(宝船) 麻布十番1-4-6
大法寺(大黒天) 元麻布1-1-10
氷川神社(毘沙門天) 元麻布1-4-23
櫻田神社(壽老神) 西麻布3-2-17
天祖神社(福禄寿) 六本木7-7-7
久國神社(布袋) 六本木2-1-16
となります。
毎年1月1日から成人の日まで七福神を祀る神社・寺院をお参りして、その年の開運招福・家内安全を願う、お正月行事、港七福神めぐりを実施しているそうです。港七福神の御朱印を頂ける専用色紙や御守など、いかにもご利益いただけそうな港七福神めぐり、期間が短いのでなかなか遠方からの参加はむつかしいかと思いますが、これはぜひ参加したいところですね。
麻布十番の街を見続けてきた十番稲荷神社
地域を見守り続けたきた神社は日本中たくさんあります。十番稲荷神社もそのひとつで麻布十番駅前を歩く通勤通学、そしてもちろん住民の方々の安全を見守ってきたのでしょう。かえるさんとして親しまれる大がえる子がえる、金色の宝の文字の帆の宝船、そして狭いけれどなぜかほっとする境内と拝殿、かわいい巫女さん、すべてが心落ち着く神社でした。
「なぜかほっとする」それが一番のパワースポットであると思います。十番稲荷神社はそんな場所でした。六本木や東京タワーはすぐ近くです。周辺にお越しの際はぜひ立ち寄ってみてください。
十番稲荷神社アクセス
十番稲荷神社:〒106-0045 東京都港区麻布十番1-4-6
地下鉄大江戸線「麻布十番駅」7番出口 徒歩0分
地下鉄南北線「麻布十番駅」4番出口 徒歩5分
都営バス(渋谷~新橋)「麻布十番」バス停 徒歩5分
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