安産・子育ての祈願所「雑司ヶ谷鬼子母神堂」

子育・子宝・安産

東京都豊島区雑司ヶ谷に、古くから安産・子育ての祈願所として親しまれている鬼子母神堂があります。安産・子育ての神様なのに「鬼」がお名前に付いてるってなんか少し怖いイメージが・・・と思っている方も多いのではないでしょうか。まずは「鬼子母神」について、少し長くなりますが、探ってみます。

夜叉の娘 鬼子母神

もともと鬼子母神は、インドで訶梨帝母(カリテイモ)と呼ばれる夜叉の娘でした。醜怪で猛悪な性質を持ち、人から精気を奪う夜叉神の娘、訶梨帝母は嫁いで五百人(一万人とも)の子を産みました。500人から10000人の子供を育てるとなると、どれだけの労力がいるでしょう。モンスターエ〇ジーなどなかったその頃、訶梨帝母はそのパワーをつけるために人の子供を狩って食っていました。当時の人々は恐れ慄いたに違いありません。子が奪われる恐怖は、当時も今も変わりがないように思います。

お釈迦様のお仕置き

その人々の苦しみ嘆きを見たお釈迦様は、なんとか訶梨帝母にその苦しみを解らせようと、訶梨帝母の一番末っ子を隠してしまいます。愛する我が子を失った訶梨帝母は、悲しみと苦しみのあまり、狂乱状態に陥り、釈迦に助けを求めました。

お釈迦様は、訶梨帝母に問いかけます。「あなたにとって一人の子供を失うことは、これほどの苦しみであるのに、あなたは今まで多くの人々の子供を奪い、どれほどの悲しみを与えてきたのか」と。

訶梨帝母の改心

この言葉によって、訶梨帝母は自分の犯してきた罪の大きさに気づき、深く反省しました。そして、釈迦に帰依し、三宝(仏・法・僧)を守り、二度と子供を襲わないことを誓いました。

お釈迦様は、訶梨帝母の改心を認め、彼女に「鬼子母神」という名前を与えました。そして、安産・子育ての守護神として、人々を守護する役割を授けました。

鬼子母神となった訶梨帝母は、かつて子供を奪った罪を償うかのように、子供たちの成長を見守り、あらゆる災いから守ることを誓いました。そして、人々は鬼子母神を信仰し、子供の健康と幸福を祈るようになりました。

訶梨帝母から鬼子母神への変化は、仏教の教えによって、悪鬼が善神へと転換した象徴的な出来事です。 これは、どんなに残酷な存在であっても、仏の慈悲によって救われ、改心することができるという仏教の教えを体現しています。

ザクロの実は肉の味

ザクロの門柱

鬼子母神堂の山門にはザクロが刻まれています。また授与品の中にはザクロの絵馬があります。これはお釈迦様が子を食べる代わりにこれを食べなさいと、訶梨帝母に渡したのがザクロの実だった、と言うことだそうです。そういえば子供の頃、祖母からザクロは人の肉の味がする、と言われ、まじでー?ほんとー?と恐怖に慄き、それ以来怖くて食べられませんでした。ちなみにザクロは甘酸っぱくて、食べやすくはありませんが、おいしい果実です。ただ真っ赤な実が、お釈迦様は血をイメージしたのかもしれませんね。

さて長くなってしまいしましが、鬼子母神堂を巡っていきたいと思います。

参道は見事な欅並木

今回は都電荒川線(東京さくらトラム)に乗って鬼子母神堂まで。ちなみに鬼子母神は「きしじん」と読むそうです。でも都電荒川線の駅の名前は「きしじん」です。鬼子母神前で下車するとすぐにとても雰囲気のある、懐かしくてちょっとおしゃれな欅並木が続いています。

鬼子母神山門入口欅並木

いい雰囲気ですねぇ。可愛いカフェやこだわりのあるコーヒー屋さんとか、いろいろあったのですが、伺った時間が早すぎて開店前でした。ここを通り抜けるとすぐに鬼子母神堂が見えてきます。

鬼子母神堂境内

鬼子母神堂

雑司ヶ谷鬼子母神

寛文4年(1664年)に建立された本堂と、元禄13年(1700年)に増築された拝殿と相の間からなる複合建築で、国の重要文化財に指定されています。

少々(ではない。かなり)粗い画像で申し訳ありません。拝殿の前に無数に掛かるザクロの絵馬。圧倒されます。

鬼子母神堂屋根を支える赤鬼

ふと見上げると、赤鬼が屋根を支えていました。

樹齢700年の公孫樹と、江戸時代から続く駄菓子屋さん。子供かぶりつきですね。

鬼子母神堂は法明寺のお堂です。

明法寺

鬼子母神堂は、少しだけ離れたところに鎮座するお寺、法明寺のお堂です。こちらは鬼子母神堂とはうって変わってとても静かな雰囲気。東京23区でこんなに苔生した、良い雰囲気の境内に出会えると嬉しくなってしまいますね。

明法寺猫

気が付けば鬼子母神堂に居たハチワレがいました。お寺とお堂を自由に行き来している様子。こちらをじっと見てますね。

この子が鬼子母神堂にある駄菓子屋さんの有名看板ネコ?と思ったのですが看板ネコ君は10年近く前に亡くなってしまったそうです。でも17歳と言う長寿。同じハチワレなのでもしかしたら看板ネコ君の末裔かも。

御朱印を頂いて鬼子母神堂を後にします

鬼子母神堂の御朱印。書置きです。

こちらが法明寺の御朱印。こちらは書置きではなく書いていただけます。どちらもすすきみみずくの印が可愛いですね。

鬼子母神像
本堂脇の鬼子母神像

古くから、子供を授かりたいと願う人、無事に出産したいと願う人、そして子供を健やかに育てたいと願う人々が、鬼子母神様にお参りしてきました。それだけではなく、厄除けや家内安全などのご利益があるとされています。安産や子育てに限らず、子育ての悩みなどがある方も鬼子母神堂を訪れてお参りしてみるのもいいかもしれませんね。何よりも、鬼子母神堂の境内の雰囲気に癒されることは間違いありません。

アクセス

東京都豊島区雑司ヶ谷3-15-20

  • JR池袋駅東口・JR目白駅より徒歩15分
  • JR目白駅より、都バス新宿駅西口行「鬼子母神前」下車
  • 都電荒川線東京さくらトラム(三ノ輪・早稲田間)「鬼子母神前」より徒歩3分
  • 東京メトロ 副都心線「雑司が谷」下車 1番出口より徒歩5分
hana

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都内中心にパワースポット巡りをしています。見てくれた皆さんにも幸せが届きますように。あとはただの呑んべぇ女です。

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hana

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